デジタル遺産のトラブルを防ぐ方法と注意点
「デジタル遺産」という言葉を聞いて、自分にはあまり関係ないと思っていませんか?
実は、スマホやパソコンを日常的に使っている人なら、誰にでもデジタル遺産は存在します。
そしてその情報が整理されていないまま万が一のことがあると、残された家族がとても困ることになる可能性が高いのです。
この記事では、デジタル遺産をめぐるトラブルがなぜ起きるのか、実際にどんなケースがあるのかを整理したうえで、今からできる備えの方法をご紹介します。
デジタル遺産のトラブルはなぜ増えている?背景を知ろう

ここ数年、デジタル遺産に関するトラブルの相談が増えていると言われています。
その背景には、お金の管理や日々のサービス利用がどんどんデジタルに移っていることが大きく関わっています。
まずは、どうしてこうした問題が起きやすくなっているのか、その背景から見ていきましょう。
ネット銀行やキャッシュレス決済の普及で見えない財産が増えた
少し前までは、銀行口座といえば通帳がありました。
そのため家族が通帳を見つければ、どこにいくらあるかはすぐに分かる状態でした。
ところが今は、ネット銀行やキャッシュレス決済が当たり前になって、紙の書類が手元に残らないケースが増えています。
証券口座や仮想通貨のウォレットも同じです。
パソコンやスマホの中にしか情報がないため、本人以外にはその存在自体が見えない。
家族が「ネット証券の口座があったなんて知らなかった」と後から気づくケースは珍しくありません。
こうした見えない財産が増えたことが、デジタル遺産トラブル増加の大きな要因になっています。
故人のスマホを開けないまま手続きが止まるケースが急増中
もう一つ深刻なのが、スマホのロックが解除できない問題です。
亡くなった方のスマホにパスワードや指紋認証が設定されていると、家族はそもそも中身を確認できません。
ネット銀行のアプリも、月額サービスの契約情報も、すべてスマホの中にあるのに手が出せない状態になってしまいます。
携帯会社に相談しても、本人以外にはロック解除の対応をしてもらえないことがほとんどです。
結果として、財産の把握も契約の解約も進まないまま、何か月も時間だけが過ぎてしまいます。
こうした「スマホが開けない問題」は、デジタル遺産トラブルの中でも特に多い相談の一つです。
家族が実際に困ったデジタル遺産トラブル4つの事例

では、具体的にどんなトラブルが起きているのでしょうか。
ここでは、実際に報告されている代表的な4つのケースを紹介します。
「うちは大丈夫」と思っていても、意外と身近な話ばかりです。
月額サービスの引き落としが半年間止められなかった
動画配信や音楽アプリなど、月額で支払うサービスを複数使っている方は多いと思います。
本人が亡くなっても、これらのサービスは自動的に止まりません。
クレジットカードの引き落としが続く限り、契約はそのまま継続されます。
家族がサービスの存在に気づかないまま、半年以上も料金が引き落とされ続けたというケースは実際にあるんです。
サービスごとに解約の方法も違うため、一つ一つ調べて手続きするのにかなりの手間がかかります。
どんな月額サービスに入っているか、一覧にしておくだけでもこのトラブルは防げるものです。
ネット証券の口座に気づかず遺産分割がやり直しになった
通帳や郵便物が届かないタイプの口座だと、家族がその存在を知る手がかりがほとんどありません。
そのため銀行口座は見つかっても、ネット証券の口座は見落とされやすいです。
実際に、遺産分割が終わった後でネット証券の口座が見つかり、分割のやり直しが必要になった事例があります。
やり直しには相続人全員の同意が必要で、手間も時間も大きな負担です。
金額が大きい場合は、家族間の関係にまで影響する可能性もゼロではありません。
こうした問題を避けるためにも、持っている口座の情報は紙やアプリで残しておくことが大切です。
SNSアカウントが乗っ取られて故人の名前で詐欺に使われた
亡くなった方のSNSアカウントがそのまま放置されると、思わぬトラブルにつながることがあります。
パスワードが推測されやすい場合や、セキュリティの設定が甘い場合、アカウントが第三者に乗っ取られる可能性があるんです。
実際に、故人のアカウントがなりすましに使われ、友人や知人に詐欺メッセージが送られた事例も報告されています。
家族にとっては、大切な人の名前が悪用されるという精神的なつらさも重なります。
SNSアカウントをどう扱ってほしいか、削除するのか残すのかを事前に決めておくだけで、こうした被害は防ぎやすくなります。
デジタル遺産トラブルを防ぐために生前にできる3つの備え
トラブルの事例を見ると不安になるかもしれませんが、事前の備えがあれば多くの問題は防げます。
ここでは、今日からでも始められる3つの方法をご紹介します。
難しいことはなくて、どれも少しの時間で取りかかれるものばかりです。
自分のデジタル資産を一覧にして棚卸しする
まず最初にやっておきたいのが、自分が使っているデジタル関連のサービスや口座を書き出すことです。
- ネット銀行
- 証券口座
- 月額サービス
- SNSアカウント
- メールアドレス
上記のように、思いつくものをリストにしてみてください。
「こんなにあったの?」と気づく方も少なくないと思います。
完璧に書く必要はありません。
まずは思い出せるものから書き始めるだけで、大きな一歩になります。
スマホに入っているアプリを眺めたり、クレジットカードの明細を確認したりするだけでも、かなりの情報が集まりますよ。
パスワードの残し方を決めておく
デジタル資産の一覧を作ったら、次はパスワードの残し方について考えておきましょう。
パスワードをそのままノートに書くのは少し心配ですよね。
一つの方法として、「ヒントだけ書いておく」というやり方があります。
たとえば「銀行口座のパスワードは誕生日の逆順とペットの名前」のように、家族なら分かるヒントにしておくのです。
あるいは、パスワードを記録したファイルの場所だけを家族に伝えておくのも有効な方法です。
大切なのは、万が一のときに家族がたどり着ける仕組みを作っておくことです。
やり方は一つではないので、自分に合った方法を選んでみてください。
定期的に情報を見直して古い契約を整理する
一度書き出したら、それで終わりではありません。
半年に一度、あるいは年に一度でもいいので、リストを見直す日を決めておくのがおすすめです。
使わなくなったサービスは解約し、新しく契約したものは追加する。
この見直しの習慣があるだけで、情報が古くなってトラブルにつながるリスクをぐっと減らせます。
誕生日や年末年始など、覚えやすい時期に見直しのタイミングを決めておくと忘れにくいですよ。
デジタル遺産の情報をどこに保管するのが安全か
情報を整理したら、次に考えたいのが「どこに保管するか」という点です。
せっかくまとめた情報も、保管の方法次第では別のリスクが生まれてしまいます。
自分に合った方法を選ぶために、それぞれの特徴を整理してみましょう。
紙のノートは紛失や盗み見のリスクと隣り合わせ
紙のノートに書くのは手軽で、デジタルが苦手な方でもすぐに始められる方法です。
ただ、紙には紙ならではの心配ごとがあります。
引き出しに入れたまま忘れてしまったり、引っ越しや片付けの際になくしてしまったりする可能性は否定できません。
また、誰かに見られるリスクも頭に入れておきたいところです。
パスワードや口座番号が書かれたノートが人目に触れれば、それだけで大きな問題になりかねません。
紙を使うなら、保管場所を家族にだけ伝えておくなどの工夫が必要です。
個人情報をネットに預けない方法で安心感を得る
最近はエンディングノートのアプリも増えていますが、選ぶときに気をつけたいのが「情報がどこに保存されるか」という点です。
ネット上に個人情報を預けるタイプのアプリだと、情報漏洩やサービス終了時のデータ消失が心配ですよね。
その点、モシモのエンディングノートのように、すべてのデータがお使いのスマホやパソコンの中だけに保存されるアプリなら、ネットに情報を送らない安心感があります。
ログイン不要で無料、しかもデータの書き出し機能があるので、紙のバックアップを取れるのも魅力です。
デジタル遺産の情報は特にデリケートなので、保管方法は慎重に選びましょう。
デジタル遺産の備えは家族を守る小さな一歩から始まる
デジタル遺産のトラブルは、スマホやパソコンを使っている人なら誰にでも起こりうるものです。
月額サービスの引き落としが止まらない、ネット証券の口座が見つからない、SNSが乗っ取られるといった事例は、決して他人事ではありません。
でも、自分のデジタル資産を一覧にして、パスワードの残し方を決めて、保管場所を家族に伝えておく。
それだけで、家族が困るリスクは大きく減ります。
全部を一度に完璧にする必要はありません。
モシモのエンディングノートなら、個人情報をネットに送らず手元だけで管理できるので、デジタル遺産の整理にもぴったりです。
今日の5分が、未来の家族の安心につながります。
まずはスマホのアプリを眺めて、使っているサービスを3つだけ書き出してみるところから始めてみませんか?
