遺言書の書き方・自筆完全ガイド|書式と例文を解説|無効にならない注意点
「遺言書を書いておきたいけど、どこから手をつければいいのか分からない」
そう感じていませんか?
難しそうに見えて後回しにしているうちに、大切な気持ちを伝えられないまま…ということも少なくありません。
この記事では、自筆証書遺言の基本的な書き方から、よくある失敗例、保管方法まで、順を追って説明します。
自筆証書遺言とはどんなもの?基本をやさしく解説

自筆証書遺言とは、自分の手で書いた遺言書のことです。
法律で認められた遺言書の種類のひとつで、費用をかけずに自分だけで作れるのが大きな特徴です。
自筆証書遺言が選ばれる理由
自筆証書遺言が選ばれる一番の理由は、「手軽さ」にあると考えられます。
公証役場に行く必要もなく、証人を呼ぶ必要もありません。
紙とペンさえあれば、今日からでも書き始められます。
また、内容を誰にも知られずに作れるので、プライバシーを守りたい方にも向いています。
法務省の調査によると、自筆証書遺言の保管申請件数は年々増えており、2024年には約2万3千件を超えています。
終活への関心が高まるなかで、身近な選択肢として注目されているのです。
公正証書遺言との違いを知っておこう
もうひとつよく聞く「公正証書遺言」は、公証役場で公証人に関わってもらいながら作る遺言書です。
費用は財産の額によって変わりますが、数万円かかることが多いです。
その分、形式ミスで無効になるリスクが低く、安全性は高いといえます。
一方、自筆証書遺言は費用ゼロで作れますが、書き方のルールを守らないと無効になることがあります。
どちらが正解というわけではなく、状況や希望に合わせて選ぶとよいでしょう。
自筆で書ける遺言書の対象範囲
自筆証書遺言に書ける内容は、財産の分け方だけではありません。
子どもを認知することや、未成年後見人を指定すること、葬儀の方法についての希望なども書き残せます。
ただし、葬儀の方法についての記載は法的な拘束力を持たない「付言事項」にあたります。
また、法律上の効力があるのは決まった事柄だけで、「○○に感謝している」といった気持ちの言葉は遺言書の法的効力には含まれません。
気持ちを伝えたい場合は、遺言書とは別に手紙を添えるか、エンディングノートに書いておくのがおすすめです。
自筆遺言書を正しく書くために必要な5つのルール
遺言書は、書き方のルールが法律で決まっています。
ルールを守らないと、どんなに丁寧に書いても無効になってしまうことがあるので、ここはしっかり確認しておきましょうか。
全文を自分の手で書かなければならない理由
自筆証書遺言の一番大切なルール、それは「全文を自分の手で書く」ことです。
パソコンで打ったものや、誰かに代わりに書いてもらったものは、法律上無効になります。
これは「本当に本人の意思で書かれたものか」を確認するためのルールです。
財産目録(持っている財産の一覧)だけは例外で、2019年1月施行の法改正からパソコンで作成することが認められました。
ただしその場合でも、目録のすべてのページに署名と押印が必要です。
日付と署名・押印はなぜ欠かせないのか
日付、署名、押印の3つは、遺言書に必ず入れなければならない要素です。
日付は「いつ書いたか」を証明するためのもので、複数の遺言書がある場合に、どちらが最新かを判断する根拠になります。
「令和○年○月○日」と具体的に書く必要があり、「2024年春」のような曖昧な書き方は認められません。
署名は、戸籍に記載されている名前を使うのが確実です。
押印は認印でも問題ありませんが、実印を使うとより確実です。
財産の特定と相続人の書き方で迷わないコツ
財産の書き方で大切なのは、「どの財産を誰に渡すか」が一目で分かるように書くことです。
例えば不動産なら、「○○市○○町○丁目○番○号の土地」のように、登記簿に書かれている情報を使うと間違いがありません。
預貯金なら「○○銀行○○支店の普通預金口座(口座番号○○○○)」のように、特定できる情報を入れましょう。
相続人の書き方も同様で、「妻の○○(生年月日)」のように、誰のことか特定できる情報を添えると安心です。
曖昧な書き方をすると、あとで家族が困ることになるので、具体的に書くことが大事なポイントです。
書き方の失敗例と、無効にならないための注意点
実は、遺言書の無効トラブルの多くは「些細な書き間違い」から起きています。
よくあるパターンを知っておくだけで、失敗を防げるでしょう。
よくある書き間違いと正しい訂正方法
書き間違えたとき、ついやってしまいがちなのが「修正液で消す」ことです。
これは無効の原因になります。
正しい訂正方法は、間違えた箇所に二重線を引き、その近くに正しい内容を書き、「○字削除○字追加」と書いたうえで署名と押印をする、という手順です。
少し手間がかかりますが、この方法を守ることが大切です。
訂正が多くなりそうなときは、最初から書き直すのが一番確実です。
パソコン入力や代筆が無効になるケース
本文をパソコンで作成した遺言書や、家族や知人に代わりに書いてもらった「代筆」は、無効になります。
どうしても手書きが難しい場合は、公正証書遺言を選ぶことを検討してみてください。
公証人が関わる形式であれば、自分で書かなくても有効な遺言書を作ることができます。
日付の書き方ひとつで遺言書が無効になることも
日付の書き方は、意外と見落とされがちなポイントです。
「吉日」という書き方は、具体的な日が特定できないとして無効になった裁判例があります。
また、「令和6年1月」のように日を省略した書き方も認められません。
必ず「令和○年○月○日」という形で、年・月・日をすべて書きましょう。
日付を書く場所は特に決まっていませんが、文書の冒頭か末尾にまとめて書くと分かりやすいですよ。
自筆遺言書についてよくある質問

遺言書を書こうと思ったとき、「これはどうするの?」と疑問に思うことがいくつかありますよね。
よくある質問を、まとめてご紹介します。
遺言書は何歳から書けますか?
民法では、満15歳以上であれば遺言書を書けると定められています。
ただし、認知症などで判断能力が低下した状態で書かれた遺言書は、あとで無効を争われることがあります。
「元気なうちに書いておく」のが、一番安心です。
特定の年齢になってから考えるのではなく、気持ちが固まったときに書き始めるのがよいでしょう。
書き直したいときはどうすればいいですか?
遺言書は、何度でも書き直すことができます。
複数の遺言書がある場合は、日付が新しいものが優先されます。
古い遺言書を意図的に破棄するか、新しい遺言書に「以前の遺言書を撤回する」と明記しておくと、混乱を防げます。
気持ちや状況が変わったときは、迷わず書き直しましょう。
書いた遺言書はどこに保管すればいいですか?
自筆証書遺言の保管場所は、大きく2つあります。
ひとつは自分で保管する方法。
金庫や大切な書類と一緒に保管しますが、家族に見つけてもらえるか、紛失や改ざんのリスクがないかを考える必要があります。
もうひとつは、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を使う方法です。
手数料は1件あたり3,900円で、法務局が原本を保管してくれます。
家庭裁判所での検認(内容確認の手続き)も不要になるので、家族の負担を減らせるという点で、この制度はとても便利ですよ。
遺言書がなければ財産はどうなりますか?
遺言書がない場合、財産は「法定相続」といって、民法で決められた割合で相続されます。
例えば、配偶者と子どもがいる場合は、配偶者が2分の1、残りを子どもで均等に分けます。
家族の関係が複雑だったり、特定の人に多く渡したい希望があったりする場合は、遺言書を書いておくことで、その意思を反映させることができます。
「誰に何を渡したいか」という気持ちがあるなら、遺言書はとても大切な役割を果たします。
自筆遺言書を書いたら、気持ちや情報も整理しておきたい
遺言書は、財産の分け方を法的に残す書類です。
しかし、家族へ伝えたいことはそれだけではないですよね。
「口座がいくつあるか」「スマホのロックをどう解除するか」「お葬式はこうしてほしい」といった情報や気持ちは、遺言書には書ききれません。
そういった情報をひとまとめに残せるのが、エンディングノートです。
遺言書と組み合わせて使うことで、家族が困らないように備えられます。
モシモのエンディングノートは、スマホやパソコンの中だけで情報を管理できる無料のアプリです。
インターネット上に情報が送られることは一切なく、ログインも不要です。
口座情報や月々払っているサービスの一覧、家族へのメッセージなど、遺言書では書ききれない大切な情報をまとめておけます。
遺言書を書き終えたあとの「次の一歩」として、ぜひ使ってみてください。
自筆証書遺言の基本と、家族への備えを一緒に進めよう
難しく感じていた遺言書も、ルールさえ押さえれば、今日からでも書き始められます。
大切なのは「完璧に仕上げること」よりも、「気持ちが固まったら動き出すこと」です。
遺言書を書いたら、あわせて口座情報や家族へのメッセージなど、周りの情報も一緒に整理しておくと、残された家族がとても助かります。
エンディングノートはその入り口として、気軽に使い始められます。
モシモのエンディングノートなら、スマホやパソコンで誰でも簡単に、無料で始められます。
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